情報基盤研究グループ(IIRG)研究状況



東京情報大学 布広 永示, マッキン ケネスジェームス,朴 鍾杰,松下 孝太郎,山口 崇志 浅沼 市男,原 慶太郎
日本大学 五十嵐 正夫,柳澤 幸雄

1.はじめに



情報基盤研究グループでは,広域衛星データ(NOAA, MODISデータ)を活用するための研究基盤である衛星画像解析システムの開発・MODISデータ配信や土地被覆変化の抽出,植生指数の時系列変化など,MODIS /NOAA衛星データの数理情報解析に関する研究を進めている。本報告では,「衛星画像を用いた地域別水田域の自動判別の研究」,「知能情報処理を応用したMODISデータのコンポジット手法検討」の研究状況について報告する。

2.衛星画像を用いた地域別水田域の自動判別 (山口 崇志)


米を主食とし稲作を主たる農業とするアジア諸国において、水田域の変化を観測することは収穫量予測や開墾計画、農業政策を決定する上で非常に重要である。本研究ではリモートセンシングによる自動水田域判別について検討し、機械学習を用いた水田域判別器を構築した。 衛星画像により水田域を観測した時、稲作の過程によって異なる被覆として観測される為、1枚の画像からの判別が難しくなる。このような年間を通じ動的に変化する被覆の判別には、周期の短い中解像度衛星等の衛星画像を複数用い時空間的情報として扱うのが有効であるが、水田の年間サイクルは国や地域毎にその気候や文化、栽培方法により異なる為、ある地域のデータを基に分析し生成された水田域判別器を、そのまま他の地域において適用することは困難である。その為、機械学習を用い自動的に国や地域毎に異なる水田域判別器を生成するシステムを構築した。